反転(剪除)法は汗の元になる汗腺を直接取り除くワキガ治療です。
ワキの下の汗や臭いが気になる、制汗剤やスプレーをしても効果がないという方にオススメです。
ワキの下の臭いの原因は、汗腺から産生される汗の他に、皮脂腺からの分泌物や皮膚表面に存在する常在菌が関与しています。
反転(剪除)法は、皮膚に切開を加えて、直視下に汗腺と皮脂腺を外科的に切除します。
手術は1~1.5時間程度で、入院の必要もありません。
ワキガ治療はその程度に応じて、軽度な場合は軟膏療法・汗止め注射・吸引法・超音波などを行ないますが、それらの方法で効果が無かった方にもこの反転(剪除)法を行なうことができます。
1 | 皮膚を切開
ワキの下のシワに沿って皮膚を切開いたします。
切開線の長さは、状態によって異なりますが、2~3cm程度です。
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2 | 汗腺・皮脂線を切除
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3 | 手術の終了
ワキの下の皮膚をガーゼで圧迫固定(タイオーバー)して終了です。
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手術時間 | 1~1.5時間程度 |
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傷跡 | 目立ちません。 |
入院 | 不要 |
通院 | 術後3~5日にガーゼ(タイオーバー)を除去 定期検診:1ヶ月後と3か月後 |
麻酔 | 局所麻酔または静脈麻酔 |
日常生活 | ワキの脱毛やエステは、1ヵ月以降であればOKです。 |
施術時間 | 1~1.5時間程度で終了いたします。 |
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傷跡 | 皮膚切開はワキの下のシワに沿って行ないますので、皮膚にキズは目立ちません。 |
麻酔 | 局所麻酔または静脈麻酔(手術中眠ってしまう麻酔法)のどちらかを選択できます。 |
入院 | 必要ありません。 |
通院 | 術後3~5日に来院していただいて、ワキの下の固定のためのガーゼ(タイオーバー)を除去いたします。 術後7日に創部の抜糸を行ないます。 その後は、術後1ヵ月と3ヵ月に定期検診を行ないます。 検診日以外でも、何か気になることや問題がある場合には、適時診察させていただきます。 |
入浴・ シャワー |
翌日からOKです。 傷口を濡らさないようにしてください。 |
メイク | 当日からOKです。 |
その他 | ワキの脱毛やエステは、1ヵ月以降であればOKです。 日焼け・強い紫外線に当たらないよう気を付けてください。 妊娠中のかたは、時期によっては手術を受けることができません。 |
その1 カウンセリングを重要視
ワキガ・多汗症の治療として様々な方法がありますが、反転(剪除)法は一番強力で効果的な方法です。
それだけに他のマイルドな方法と比較すると、血腫(血液の溜り)・感染・皮膚の壊死などの合併症に注意をする必要があります。
ワキの下のご状態によっては、反転(剪除)法ではなく、汗止め注射や吸引法が適しているケースもあります。
“エーブ クリニック”では、術前カウンセリングで手術適応を決定することをとても重要視しています。
本当にこの方法で良い効果が得られるのか、他のやり方でもっと適した方法がないか、それらのことをご手術の前に的確に診断することが大切と考えています。
その2 効果的な手術方法
反転(剪除)法はワキガ・多汗症に対する治療としては最も効果的な方法ですが、適切な部位の汗腺と皮脂腺を切除しなければ効果が半減してしまいます。
術前に有毛部を中心に汗が分泌される部分を正確に診断して、その直下にある汗腺・皮脂腺を直視下に切除する必要があります。
また効果を上げようとして組織を取り過ぎて、皮膚が薄くなってしまうと、血腫・感染・皮膚壊死などの合併症を起こす危険があります。
“エーブ クリニック”では、剥離範囲を正確に診断して汗腺・皮脂腺を切除する、安全で効果的な反転(剪除)法を行なっています。
その3 安心の無痛麻酔
“エーブ クリニック”では、麻酔科専門医の資格を持つ院長が責任を持って手術・麻酔を行ないます。
反転(剪除)法は局所麻酔でも行なうことができますが、特に痛みを感じやすいかたや手術が怖いかたには、手術中に眠っていただくように、静脈麻酔で行なうことも可能です。
Q:ワキの下の固定はしなくても良いですか?
A:術後のガーゼによる圧迫固定をタイオーバーといいますが、反転(剪除)法手術の場合には、この固定が必要になります。
剥離した皮膚を圧迫することで、出血を止めて、皮膚を再度皮下組織に癒着させる効果があります。
タイオーバーをしないと血腫(血液の溜り)や皮膚の壊死を起こす危険性が高まりますので、固定は必ずされてください。
Q:以前、超音波で多汗症の治療をしたのですが、まだ汗が出ますし効果がありませんでした。反転(剪除)法を受けることはできますか?
A:超音波による治療を受けられたということですが、まだ汗腺が残存していることが考えられます。
その場合には反転(剪除)法によって、残っている汗腺・皮脂腺を切除することにより、汗の量を抑えることができます。
しかしワキの下は多少は汗をかく部分ですので、通常量の汗と臭いのご状態ならば、それ以上の処置の必要性は低いと考えます。
Q:ワキの下の汗に対する治療として、他にどんなものがありますか?
A:皮膚科療法としては、発汗抑制のために塩化アルミニウムや、臭いの原因となる皮膚常在菌の殺菌目的のために抗生剤軟膏を塗布します。
注射による治療法としては、汗止め注射を注入して自律神経に作用して汗腺からの分泌をブロックする方法があります。
他には皮膚に小穴を開けて、裏側から盲目的に超音波を当てて汗腺を焼却する方法、汗腺を吸引する方法があります。
医療的な処置をしなくても、予防として臭いを抑える方法もあります。
臭いの原因となる不飽和脂肪酸を含む動物性脂肪の摂取を控えることも大切ですし、臭いを抑えるビタミンB2・B6・C・パントテン酸を含む食品を多めに取ることも効果があります。
さらに分泌された汗をそのままにしておくと、皮膚の常在菌が繁殖してこれが臭いの原因となるので、汗をかいたと思ったらすぐに拭き取ってワキの下を清潔に保つことが重要です。
手術名 | 金額(税込) |
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反転(剪除)法 | 308,000円 |