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顔面輪郭形成手術において大切なことはトータルバランスです。
特に下顎の場合、エラから顎(アゴ、あご)先まで、どの部分をどの程度削れば良いのかを、術前にしっかりと把握しておく必要があります。

たとえば写真(1)の患者さまのように下顎全体が大きい人がエラの部分だけを削ってしまうと、写真(2)のように顎(アゴ、あご)先が大きく見えてしまいます。
また顎(アゴ、あご)先だけを削っても写真(3)のように、四角形の顔になってしまいバランスが悪くなってしまいます。

シミュレーション1

それでは、どのように骨切りをしていけば良いでしょうか。
このような型の場合は、写真(4)のようにエラから顎(アゴ、あご)先にかけて広範囲に削っていくと、バランスの良い綺麗なフェイスラインを得ることができます。

シミュレーション2

上記の写真(1)は実際のモニターさんの写真です。
写真(2)(3)(4)はコンピュータ シミュレーションで、実際の写真をモーフィングして作った架空の画像です。

シミュレーションの際には、患者さまと一緒に写真を見ながら、ご希望に沿ったフェイスラインを決めてまいります。
『もっと顎(アゴ、あご)先を短くしたい』『そこまで細くしたくない』など、その時にご要望を仰ってください。

シミュレーション3

もちろんシミュレーションした画像と手術結果が100%一致するということではありませんが、画像上で計測することにより骨削りをする範囲・程度が確認され、それを目標に手術を行なうことで不確定要素が少なくなり、より正確性を高めることができます。

第98回日本美容外科学会が東京ドームホテルで開催された時に、『下顎角部形成術(エラ削り)における削骨範囲の検討』というテーマで口演し、術前シミュレーションが有用であったことを報告いたしました。

私が手術を担当したモニター患者様の術後結果とその手術方法、アンケート調査により術後患者様の満足度調査がその発表内容です。
一般的に『美容外科手術は術者の感性やセンスが結果に大きく影響する』と思われており、実際にそのような意見をよく耳にいたします。
その言葉の先には『術者の芸術性が優れていれば細かい計測やデータは不要である。』かのような危険な解釈をされがちなところもあります。
もちろん手術に対する感性や美に対してのセンスは必要ですし、それが優れていれば必然的に結果が良くなることもあると思います。
しかしながら、美容外科は標榜が確立した医療(臨床医学)です。医学は科学の一分野ですので、手術に対しては科学的なデータを根拠に行なっていく必要があると考えています。

患者様の希望にかなった結果が得られ、満足度を向上させていくためにも、今回発表の場を与えて頂いたことは本当に良かったと感じています。

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